数の子の栄養機能性
数の子の栄養機能性

数の子はEPA、DHAを効率よくとれる”天然のサプリメント”。

数の子はニシンの卵です。魚卵の一種と聞けば、コレステロールが多く含まれているといった印象を受けるかも知れません。
しかし、その心配は無用です。
数の子に含まれるコレステロールは、鶏卵の3分の2以下。さらに、イクラなど他の魚卵と比べても少ないことが分かります。

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一方、注目したいのが多価不飽和脂肪酸のEPA(エイコサペンタエン酸)、DHA(ドコサヘキサエン酸)の含有量です。EPA、DHAは、青魚に多いイメージがありますが、数の子のEPA、DHA含有率はサンマやマグロを上回ります。
血液中のコレステロールは、食事から摂取する量よりも、実は体内で合成される量の方がはるかに多いのです。しかし、EPA、DHAには体内でのコレステロールの合成を抑え、体外への排出を速める作用があります。

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EPA、DHAを豊富に含んだ数の子を食べることで、体にどんな影響をもたらすのでしょうか。こんな実験があります。
マウスに数の子の油性分を含ませたエサを3ヶ月間与えたところ、数の子の油性分を多く与えたマウスほど血中コレステロールが低くなったのです。驚いたことに中性脂肪に加え、血糖値までもが低くなりました。

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数の子の油性分を多く与えたマウスは、コレステロールと同時にEPA、DHAを一番多く摂取しています。ヒトの場合、マウスよりも体内で合成されるコレステロールの割合が多く、食事からとるコレステロールの影響は少ないため、EPA、DHAの効果がより強く作用すると考えられます。
数の子を毎日食べたとしても、血中コレステロールが上がるどころか、むしろ逆に血中コレステロールを下げ、生活習慣病を防ぐさまざまな効果が期待できるのです。

国の調査によると、高コレステロール血症(総コレステロール220mg/dl以上)は成人男性が25%、女性は32%にのぼります。近年では、小学生の間でも肥満に伴う高脂血症が増加し、社会問題にもなっています。
健康な方はもちろん、コレステロールが気になる方も、食生活改善の際に数の子をとり入れてみてはいかがですか。

数の子とプリン体について

数の子にはプリン体が多く含まれていると思われがちですが、実はプリン体が極めて少ない食品なのです。お正月によく食べる「中サイズ」の数の子1本は、約20g。 2本食べても、8.8mgのプリン体しか含まれていません。

一般的に魚卵はプリン体を多く含んでいるイメージがあります。100g中のプリン体含有量はタラコが120.7mg、明太子は159.3mgと多めで、数の子が21.9mg、スジコは15.7mgと、同じ魚卵でも組成や成分がまったく異なるのです。

下の表は、日本痛風・核酸代謝学会ガイドライン改定委員会が2010年1月に編集・監修した『高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン』から抜粋したものです。

食品に含まれるプリン体含有量の目安(食品100g中の総プリン体の量)

極めて多い
(300mg~)
鶏レバー、マイワシ干物、イサキ白子、アンコウ肝酒蒸し、カツオブシ、ニボシ
干し椎茸
多い
(200~300mg)
豚レバー、牛レバー、カツオ、マイワシ、大正エビ、マアジ干物、サンマ干物
少ない
(50~100mg)
ウナギ、ワカサギ、豚ロース、牛肩ロース、牛肩バラ、牛タン、マトン、ボンレスハム
プレスハム、ベーコン、ツミレ、ほうれん草、カリフラワー
極めて少ない
(~50mg)
コンビーフ、魚肉ソーセージ、かまぼこ、焼きちくわ、さつま揚げ、数の子
ウィンナーソーセージ、豆腐、牛乳、チーズ、バター、鶏卵、とうもろこし、じゃがいも
さつまいも、米飯、パン、うどん、そば、果物、キャベツ、トマト、にんじん、大根
白菜、ひじき、わかめ、こんぶ

痛風などの健康面においてマイナスイメージを持たれていた数の子ですが、これからは、さまざまな栄養効果を理解し、美味しく数の子をお召し上がり下さい。

カナディアン・パシフィック・カズノコ協会 (「数の子機能性データ」参照)

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